前回のクリーン化について(その125)人財育成(その26)の続き、“現場へ足を運ぶことの大切さ”です。今回も事例を紹介します。
現場へ足を運ぶことの大切さ、そのポイントとは
- ①現場に足を運び、三現主義(現場、現実、現物)で確認、これに安全も加える。
- ②現場の人と会話することで、良好な関係が得られる。現場にアンテナを立てる。
- ③現場の人と会話することで、情報が得られる。生産、安全、品質、作業員の心の安全
などを把握し、現場は健全な状態かの見守りや改善点を把握する。
このような関係を構築することで、トップダウンも生きてくる。つまり、相互の関係はトップダウンとボトムアップが機能する関係。
◆ 工場長が毎朝現場巡回を実施
ある会社の事例です。幾つかの課を担当している工場長が、毎朝早く出勤し、始業時間前に工場を巡回していた。仕事が始まってしまうと、会議や他の日常業務によって時間が割かれてしまい、巡回ができない。そして後回しにしていると、工場に入れないまま一日が終わってしまう。その繰り返しで、すぐ近くに現場があっても入れないのです。
日々見ることで、現場の状況がわかるのです。また日々入ることで現場の人とも会話ができ、様々な情報を拾うことができます。この職場の責任者の言っていること違うなあ、と言う風に捉える事ができるかも知れません。それを拾い出すアンテナを現場にたくさん立てることが出来るのです。
その部長は、保全メンバーがメンテナンスを実施している時、一緒にやってくれることもあったと言います。本当は邪魔なのかも知れませんが、そこまで手を出してくれる気持ちが有り難いのです。薬液やオイルで手が汚れても、手伝ってくれる。その時に「君たちはこんなに苦労しているのか」など苦労を知ってもらうことができ、逆にこのような掃除用具が欲しいなどと気軽に会話ができるようになると、直属の上司に頼んでも購入できないものを購入してもらったなどと喜びもあるわけです。こうなると、メンテナンス作業にも手を抜くことはないでしょう。
一方的な指示よりも的確な、正しい情報を得ることができるのです。また現場に頼みやすい関係も構築できるのです。これがいわゆるウイン、ウインの関係の一例でしょう。情報の伝達は現場から上層部へ行くにつれ、丸くなったり、中間で私見が入ったりして、真の状況が見えなくなってしまうことが多々あります。
以前、“紙とタイプライター、足と目”のところでお話した、オブラートに包んだ報告と言われるように、不都合なことは隠されてしまうのです。これは、伝言ゲームをやってみると良くわかります。発信元と最後とはかなりずれた内容に変化していますね。事実が正しく伝わらないのです。
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◆関連解説:クリーン化って掃除のことだとの先入感が未だに多いようです。簡単に説明します。
クリーン化のことを知らずして、ものづくりの現場で“旧態依然”のまま生産活動を続けてしまうのはもったいないです。私が訪問したところでは、“クリーン化無くして、品質なし!”とのキャッチフレーズで頑張っているところもありました。この大切さを...