付帯設備の診断、今回は、エアシャワー内の清掃を解説します。
エアシャワーの浴び方のところで説明しましたが、エアシャワー内にはたくさんのゴミが存在します。防塵衣やシューズの裏面、持ち込み品に付着したものなどが、エアシャワーによって除去される。それが、堆積、あるいは軽いものは浮遊しています。多くは落下しますが、次の人が浴びる時、また舞い上がるものがあります。
ゴミの種類によっては、浮遊していても相互に結びつく(静電気によるパーティクルの結合)で重くなり、落下するものもあるでしょう。それがエアシャワー室の内壁やドアに付着します。付着している様子は、側面から肉眼でも見ることができます。懐中電灯を使い斜光観察すると、さらに良く確認できます。
これらは、次の人がエアシャワーを浴びる時、内壁から剝れ、同じように飛散するものがあれば、付着したままのものもあります。徐々に溜まるのです。そして、入室するために開いたドアから、人の気流についてクリーンルームに入るものも多いでしょう。
これも、クリーン化4原則のところで説明した、“見えない持ち込み”です。従ってエアシャワー内の清掃が必要です。
私がクリーン化に関わり始めた頃、休日に会社へ行き、エアシャワーの清掃をしたことがありました。通常勤務者がいないので、クリーンルームへの出入りが少なく、思い通りにできるのです。時間を掛け、隅々確認すると、様々なゴミが確認できました。
クリーン雑巾やクリーンワイパーで吹き出しノズル内を拭き取ってみても、付着するものもあります。清掃に着手したエアシャワーの床はグレーチング設置のタイプだった。その下へゴミを落とそうという考え方です。このグレーチングの上を多くの人が通行するので、周囲の金属、コンクリートと擦れ金属粉やコンクリートの粉がその下に堆積していた。
グレーチングを外し、エアシャワーを運転すると、これまた舞い上がるものがある。それらを確認したあと、徹底的に清掃をした。そして暫く休日に通い続け、ゴミの発生具合の確認と清掃を続けた。
エアシャワーに名前を付け“今日の調子はどうかね”などと話しかけながら清掃していた。すると何だか愛着がわくのです。清掃しながら、ドアの開閉がスムーズか、蝶番の劣化や発塵、グリス等の汚れ、ドアクローザーの劣化等様々なことにも着眼します。
清掃は点検なりです。
その繰り返しで、清掃時間や清掃の周期が見えて来たので標準化し、該当職場に引き渡した。
近年、24時間稼働の工場が多い。それを2交代、3交代で作業するので、エアシャワーへ人の出入りが多い。それぞれの状況を確認しながら清掃周期を決めたい。
客先監査では、エアシャワーの清掃のルールや実施記録を確認する場合もあります。軽視しがちなところだが、先ほどクリーン化4原則、“持ち込まない”という項についての重要な着眼点です。
ある会社からの聞いた話だが、監査者が懐中電灯を持ってエアシャワーに入った。その時、ジェットエアーの吹き出しノズルを懐中電灯で確認し、個々に確認できた付着数を指摘したという。このノズ...