今回は、図2のステップ3、標準化、定着化について解説します。
図1.クリーン化活動のステップ展開
図2.クリーン化3ステップの概要
このステップでは、これまで実施してきた対策や改善について、再発しないよう、あるいは元に戻らないよう標準化、歯止めをすること。それを土台にし、さらにレベルを上げていくことです。まず、“管理されたクリーンルーム”を目指します。活動は、クリーン化担当や職制の活動ではなく全員参加の活動です。全員に定着化させていきます。この定着させることが一番重要です。
図1のステップ3の部分に、“6S”と書いておきました。これはある会社の事例です。
その会社を訪問した時、廊下に6S・・・と記したものが掲示されていました。案内してくれた社長に、「6Sって何ですか。私は5Sしか知りません。整理・整頓・清掃・清潔・躾とは違うのですか」と聞いたところ、「そうです。そのことですが、躾は非常に難しいので、もう一つSを付けました。それは習慣化のSです。それほど定着させることは大変なんです」と言っていました。
そこまで表現することが必要かどうかは別にして、それほど難しいということです。恐らく社長の実体験、経験が表現されているんでしょう。その部分は5Sの最後の仕上げです。しっかり押さえたいです。
また標準化したものは、それで終わりではなく、さらに良い標準になるよう修正、改善していきます。実情に合わないものは使わなくなってしまいます。標準があるのと、それを使うのとは別だということになってしまいます。
標準書は、相手に伝わるかどうか、使う人が理解できるのかを考えた表現を意識すること。いろいろな解釈ができるものは、使う人によって理解が変わってしまいます。“標準は書き換えるためにある”と言われます。常にメンテナンスしていくことも重要です。
クリーン化3ステップは、このようにしなければいけないのではなく、実際に現場でやったことを整理したものであり、小集団活動でも足並みを揃えるのには使いやすいものです。また、TPM活動にある設備保全等の考え方や安全、人財育成についても含めています。
理論的ではなく、現場目線、現場視点ですから、即、そのまま使うことも可能です。
クリーン化というと、とかくゴミ、異物を減らしていく活動だとの狭義の解釈がされがちです。しかし、その活動を充実させるには、様々な知識に加え、安全、人財育成も非常に重要なキーワードです。そのこともご理解いただきたい。
概要を記しましたが、私なりに考えた詳細説明もあります。しかし、その企業や地域の風土等によっても進め方や考え方が変わってくると思うので、ここでは省きました。各々の特色を生かしたオリジナルなものを構築していただきたい。
小集団活動では、職制が先行して活動し、現場活動の手本に使う場合も良いでしょう。活動の途中で迷いが出たり、再検討が必要だという場合も、このステップを確認しながら、どの...