クリーン化について(その126)人財育成(その27)現場へ足を運ぶことの大切さ

投稿日

クリーン化について(その126)人財育成(その27)現場へ足を運ぶことの大切さ

 

前回のクリーン化について(その125)人財育成(その26の続き、“現場へ足を運ぶことの大切さ”です。今回も事例を紹介します。

 

現場へ足を運ぶことの大切さ、そのポイントとは

  • ①現場に足を運び、三現主義(現場、現実、現物)で確認、これに安全も加える。
  • ②現場の人と会話することで、良好な関係が得られる。現場にアンテナを立てる。
  • ③現場の人と会話することで、情報が得られる。生産、安全、品質、作業員の心の安全

などを把握し、現場は健全な状態かの見守りや改善点を把握する。

 

このような関係を構築することで、トップダウンも生きてくる。つまり、相互の関係はトップダウンとボトムアップが機能する関係。

 

◆ 工場長が毎朝現場巡回を実施

ある会社の事例です。幾つかの課を担当している工場長が、毎朝早く出勤し、始業時間前に工場を巡回していた。仕事が始まってしまうと、会議や他の日常業務によって時間が割かれてしまい、巡回ができない。そして後回しにしていると、工場に入れないまま一日が終わってしまう。その繰り返しで、すぐ近くに現場があっても入れないのです。

 

日々見ることで、現場の状況がわかるのです。また日々入ることで現場の人とも会話ができ、様々な情報を拾うことができます。この職場の責任者の言っていること違うなあ、と言う風に捉える事ができるかも知れません。それを拾い出すアンテナを現場にたくさん立てることが出来るのです。

 

その部長は、保全メンバーがメンテナンスを実施している時、一緒にやってくれることもあったと言います。本当は邪魔なのかも知れませんが、そこまで手を出してくれる気持ちが有り難いのです。薬液やオイルで手が汚れても、手伝ってくれる。その時に「君たちはこんなに苦労しているのか」など苦労を知ってもらうことができ、逆にこのような掃除用具が欲しいなどと気軽に会話ができるようになると、直属の上司に頼んでも購入できないものを購入してもらったなどと喜びもあるわけです。こうなると、メンテナンス作業にも手を抜くことはないでしょう。

 

一方的な指示よりも的確な、正しい情報を得ることができるのです。また現場に頼みやすい関係も構築できるのです。これがいわゆるウイン、ウインの関係の一例でしょう。情報の伝達は現場から上層部へ行くにつれ、丸くなったり、中間で私見が入ったりして、真の状況が見えなくなってしまうことが多々あります。

 

以前、“紙とタイプライター、足と目”のところでお話した、オブラートに包んだ報告と言われるように、不都合なことは隠されてしまうのです。これは、伝言ゲームをやってみると良くわかります。発信元と最後とはかなりずれた内容に変化していますね。事実が正しく伝わらないのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆関連解説:クリーン化って掃除のことだとの先入感が未だに多いようです。簡単に説明します。

 

クリーン化のことを知らずして、ものづくりの現場で“旧態依然”のまま生産活動を続けてしまうのはもったいないです。私が訪問したところでは、“クリーン化無くして、品質なし!”とのキャッチフレーズで頑張っているところもありました。この大切さを...

クリーン化について(その126)人財育成(その27)現場へ足を運ぶことの大切さ

 

前回のクリーン化について(その125)人財育成(その26の続き、“現場へ足を運ぶことの大切さ”です。今回も事例を紹介します。

 

現場へ足を運ぶことの大切さ、そのポイントとは

  • ①現場に足を運び、三現主義(現場、現実、現物)で確認、これに安全も加える。
  • ②現場の人と会話することで、良好な関係が得られる。現場にアンテナを立てる。
  • ③現場の人と会話することで、情報が得られる。生産、安全、品質、作業員の心の安全

などを把握し、現場は健全な状態かの見守りや改善点を把握する。

 

このような関係を構築することで、トップダウンも生きてくる。つまり、相互の関係はトップダウンとボトムアップが機能する関係。

 

◆ 工場長が毎朝現場巡回を実施

ある会社の事例です。幾つかの課を担当している工場長が、毎朝早く出勤し、始業時間前に工場を巡回していた。仕事が始まってしまうと、会議や他の日常業務によって時間が割かれてしまい、巡回ができない。そして後回しにしていると、工場に入れないまま一日が終わってしまう。その繰り返しで、すぐ近くに現場があっても入れないのです。

 

日々見ることで、現場の状況がわかるのです。また日々入ることで現場の人とも会話ができ、様々な情報を拾うことができます。この職場の責任者の言っていること違うなあ、と言う風に捉える事ができるかも知れません。それを拾い出すアンテナを現場にたくさん立てることが出来るのです。

 

その部長は、保全メンバーがメンテナンスを実施している時、一緒にやってくれることもあったと言います。本当は邪魔なのかも知れませんが、そこまで手を出してくれる気持ちが有り難いのです。薬液やオイルで手が汚れても、手伝ってくれる。その時に「君たちはこんなに苦労しているのか」など苦労を知ってもらうことができ、逆にこのような掃除用具が欲しいなどと気軽に会話ができるようになると、直属の上司に頼んでも購入できないものを購入してもらったなどと喜びもあるわけです。こうなると、メンテナンス作業にも手を抜くことはないでしょう。

 

一方的な指示よりも的確な、正しい情報を得ることができるのです。また現場に頼みやすい関係も構築できるのです。これがいわゆるウイン、ウインの関係の一例でしょう。情報の伝達は現場から上層部へ行くにつれ、丸くなったり、中間で私見が入ったりして、真の状況が見えなくなってしまうことが多々あります。

 

以前、“紙とタイプライター、足と目”のところでお話した、オブラートに包んだ報告と言われるように、不都合なことは隠されてしまうのです。これは、伝言ゲームをやってみると良くわかります。発信元と最後とはかなりずれた内容に変化していますね。事実が正しく伝わらないのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆関連解説:クリーン化って掃除のことだとの先入感が未だに多いようです。簡単に説明します。

 

クリーン化のことを知らずして、ものづくりの現場で“旧態依然”のまま生産活動を続けてしまうのはもったいないです。私が訪問したところでは、“クリーン化無くして、品質なし!”とのキャッチフレーズで頑張っているところもありました。この大切さを伝えたいと思っています。しばらく、この部分は残しておきます。

 

クリーン化について(その126)人財育成(その27)現場へ足を運ぶことの大切さ

 

次回に続きます。

 

【参考文献】 
清水英範 著、 「知っておくべきクリーン化の基礎」諷詠社 2023年
    同    電子版 「知っておくべきクリーン化の基礎」、諷詠社 2023年
    同   「日本の製造業、厳しい時代をクリーン化で生き残れ!」諷詠社 2012年

 

【ものづくり セミナーサーチ】 セミナー紹介:国内最大級のセミナー掲載数 〈ものづくりセミナーサーチ〉 はこちら!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め...


「クリーン化技術」の他のキーワード解説記事

もっと見る
人財育成(その17) クリーン化について(その112)

  ◆クリーン化を基礎から学ぶ 前回のクリーン化について(その111)人財育成(その16)続けて解説します。   1. ク...

  ◆クリーン化を基礎から学ぶ 前回のクリーン化について(その111)人財育成(その16)続けて解説します。   1. ク...


クリーン化について(その145)クリーン化の基礎(その7)

【目次】 ここのところ半導体製造の分野が盛り上がってきました。しかも、ナノメートルの世界を目指しています。しかしながら、その土台、基...

【目次】 ここのところ半導体製造の分野が盛り上がってきました。しかも、ナノメートルの世界を目指しています。しかしながら、その土台、基...


三現主義と5ゲン主義(その2)

 前回の三現主義と5ゲン主義(その1)に続いて、今回は経営者、管理監督者の現場対応事例を紹介します。  これまでにいろいろな会社・工場に呼ばれました。そ...

 前回の三現主義と5ゲン主義(その1)に続いて、今回は経営者、管理監督者の現場対応事例を紹介します。  これまでにいろいろな会社・工場に呼ばれました。そ...


「クリーン化技術」の活用事例

もっと見る
積極的に情報を取り込もう

 ものづくり企業の皆様と危機感、危機意識を共有し、企業体質強化をしていただきたいと思い記しました。大手企業は多くの場合、東南アジアに幾つか工場を持っていま...

 ものづくり企業の皆様と危機感、危機意識を共有し、企業体質強化をしていただきたいと思い記しました。大手企業は多くの場合、東南アジアに幾つか工場を持っていま...


クリーン化視点:ボール紙の芯に注意

 セロテープの芯はボール紙製であり発塵する。クリーンルーム内で使用可能なものはないかと最近聞かれたことがありました。同じようにお困りの方もいるのではないで...

 セロテープの芯はボール紙製であり発塵する。クリーンルーム内で使用可能なものはないかと最近聞かれたことがありました。同じようにお困りの方もいるのではないで...


静電シートとは

◆  静電シートとは  人体と電子機器など帯電した物体同士が接触すると、静電気の放電が発生します。この現象を「ESD:Electro-Stat...

◆  静電シートとは  人体と電子機器など帯電した物体同士が接触すると、静電気の放電が発生します。この現象を「ESD:Electro-Stat...