クリーン化について(その136)人財育成(その37)多面的に見たり考えたりする

【目次】

    今回は、クリーン化について(その133)人財育成(その34) 多面的にものを見るの続きに戻ります。2023年春出版した「知っておくべきクリーン化の基礎」の私の経歴のところで、60面カットのダイヤモンドについては、人財育成のところで説明すると書きました。そこにも、人は物事を一面、二面で見てしまうことが多いと記した。ここではもっと多くの面で、ものを見たり考えたりしようということを話したい。つまり“多面的に見たり考えたりする”ということ。

     

    1. 60面カットのダイヤモンドを目指そう

    ダイヤモンドの原石は、掘り出された時はただの石だが、磨けば光ることがわかっている石だ。でも磨かなければ、ただの石のまま、それをどう磨くかだ。宝石のダイヤモンドの磨き方は、基本的には44面カットと60面(58面もあるようだ)カットがあるそうだ。どちらが良いかは人それぞれ。安価な方なら44面カット、輝きで選ぶなら60面カット。面が多い分乱反射が多く、輝きを増して見えるので、この輝きに惹かれる。手をかけてある分高価なのだ。

     

    表と裏だけ、つまり二面だけの人生では寂しいものだ。ダイヤモンドの輝きは、自分を磨くか磨かないのか、44面カットで満足するのか、60面カットに至るまで、或いはそれ以上に磨き続けるのかという問いかけだと考えている。これは私たちに当てはめると、物事を見たり考えたりすることに幅や深さが増せば、より輝いた人になるということだ。

     

    多面的に物事が見えるようになると、人に説明する時も画一的にならず、その人に合った説明ができる。事例や引用を多用することで、説得力も増すと思う。答えは一つ、あるいはこの方法しかないとなるとすぐに壁にぶつかってしまう。

     

    改善案の提示でも一例だけでなく、いくつかの代替案も提示できる。このように人に説明、説得する場面では、相手に合わせ色々な面からアプローチできるようになる。その時に発した言葉にも説得力があり、重みを感じてもらえるだろう。相手にも多様な人がいるからだ。限られた人だけが理解するのではなく、少しでも多くの人に理解してもらい、そして関わってもらいたい。これが人を動かすきっかけになると考えている。

     

    2. クリーン化診断、指導

    このことは、クリーン化診断、指導、アドバイスの場面でも活用できる。相手が理解する、共感できる場にすれば、現場の人も環境も輝いてくるだろう。言っただけ、聞いただけで終わらず、相互の信頼や繋がりができる。このような人が周囲に増えるほど、自分の能力も高めることができる。これは人に磨いてもらう部分でもある。クリーン化担当としては、このように日々面を増やし、輝きのある日常を送りたいものだ。

     

     これは、大阪へ店頭支援に行った21歳の時、陳列されているダイヤモンドの指輪を見て漠然と、“自分もこんな風に輝きたいものだ”と思ったことがその始まりでした。お客様から聞かれることもあったので、少々ダイヤモンドのことも学んだ。

     

    このためには、仕事を離れた場面でも、色々なことや色々な方面(ネットワークの構築)のことに挑戦、勉強して、多面的に輝く自分作りに努力したい。私は、“ネットワークの多さと、それが作り出す面積の広さが人を育てる”と考えている。ここで自分の面はどのくらいあるか拾い出してみましょう。まず、関係ある人を拾い出す。これは点。それを共通する項で繋ぐ、つまり点を線で繋ぐと面になる。グループ化するということです。

     

    分類するとすれば、体験や経験、そして人との交流である。以下は、羅列だが、私の経験や人との交流などを紹介する。

    【経験】

    ❖中学校時代の生徒会役員 ❖高校時代、生徒会役員 ❖社内技術技能研修所時計科専門コースで学ぶ ❖大阪での店頭支援(2回)❖札幌赴任 ❖水晶腕時計の修理技能講座講師(2年)❖技能検定(国家検定)試験及び職業訓練指導員(計6つ) ❖その他の資格10件以上 ❖通信教育15件以上山梨学院大学公開講座7回/年×3年受講 ❖少年野球の保護者会 ❖大学公開講座受講(7回/年×3年) ❖本州一周旅行の経験 ❖ユーモア発明クラブ会員登録、参加(財界人、落語家など著名人との交流) ❖労働組合の経験(海外拠点の視察・2回件10年 ❖半導体の工場、立ち上げから終息まで) ❖クリーン化教育立ち上げ(富士見、酒田) ❖クリーン化セミナー講師 ❖クリーン化講演会 ❖現場診断指導の経験(国内、海外の拠点、取引先等) ❖電子版寺子屋クリーン化塾立ち上げ ❖特許管理士会 ❖日本生産士会 ❖全国設備管理協調月間作文入選(2回)など ❖礼文島での偶然の出会い(東芝、日立のエンジニアと枕を並べて) ❖TPM経営幹部者研修受講 ❖NHK話し方通信教育受講、これを社内教育、その後のセミナー、講習会などで活用。資格の取得は、業務上は2件ほど、後は自主的に挑戦したものばかりです。多くの方と会話したいと思い、会社、工場で通用するものだけでなく、多方面にチャレンジした。

    【交流】

    ❖札幌営業所の皆さん ❖礼文島での偶然の出会い(東芝、日立のエンジニアと枕を並べて)❖札幌市時計台の皆さん ❖ウオッチ修理センターメンバー ❖諏訪賢人会(飲み仲間)❖初孫を楽しむ会 ❖学生時代の友人 ❖マスターズ陸上の仲間(国内、海外の国内メンバー) ❖時計時代のメンバー ❖品質保証部門メンバー(本社、酒田・富士見)❖各拠点、工場のクリーン化メンバー ❖テクニカルヘルパー全国赴任メンバー  ❖大手航空会社お客様相談室の責任者の方と、接客の仕方と心の品質についてメールにて少々意見交換を実施 等々。

    まだまだ書き切れませんが、これを図にしてみるとこんな感じでしょうか。経験や体験、そして交流は全て私が学ぶ場であり、そこで出会った人たちは皆私の先生です。

     

     

    人との繋がり この中には親友と呼べる人たちが幾人かできた。退職後の今でも年賀の交換は続いている人が多い。そして助けてもらったことも幾つかある。定年後の友人は大切なものだ。孤独や孤立が避けられるのだ。ものづくり.comでは、私の記事を紹介してもらっているが、逆に質問、問い合わせがある。つまり双方向の中継の場としてお世話になっている。また、在社中の教育、退職後のセミナーや講演会で...

    は、必ずご意見、感想をいただくようにしている(アンケートの実施)。そこには質問や感想など多くの記載があり、学ぶべきことが多い。それらを次回の教育やセミナー、講演会に反映させるよう努力している。

    60面は通過点、極限はシリカゲルであろう。このシリカゲルについては次回お話します。

     

    3. クリーン化って掃除のことだとの先入感

     

    クリーン化のことを知らずして、ものづくりの現場で“旧態依然”のまま生産活動を続けてしまうのはもったいないです。私が訪問したところでは、“クリーン化無くして、品質なし!”とのキャッチフレーズで頑張っているところもありました。この大切さを伝えたいと思っています。しばらく、この部分は残しておきます。

     

    【参考文献】 
    清水英範 著、 「知っておくべきクリーン化の基礎」諷詠社 2023年
        同    電子版 「知っておくべきクリーン化の基礎」、諷詠社 2023年
        同   「日本の製造業、厳しい時代をクリーン化で生き残れ!」諷詠社 2012年

     

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