データを使い継続的に改善する データ分析講座(その167)

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情報マネジメント

 

◆ コンティニュアス・インプルーブメントにデータをプラス

 「データを使いモノゴトを改善し続けよう! 」という動きは、昔からあります。有名なところでは、生産現場のSQC(統計的品質管理)活動です。「統計的」という枕詞(まくらことば)が付いている通り、データを集め分析し品質を高めるための改善活動を「人力」で実施していきます。そのためにQCサークルという、改善活動を実施するグループを作ったりします。今回は人手を介さず、コンピュータの中で学習し進化し続ける「データ・コンティニュアス・インプルーブメント」というお話しをします。

【目次】

1. コンティニュアス・インプルーブメント
 (1)自身を成長させるコンティニュアス・インプルーブメント
 (2)アップグレードというよりアップデート
2. データ・コンティニュアス・インプルーブメント
 (1)レコメンド・エンジンの例
 (2)典型はお掃除ロボットやペットロボット
3.「閉じた改善」と「開かれた改善」
 (1)データ分析・活用の目指す姿
4. 今回のまとめ

 

1. コンティニュアス・インプルーブメント

 コンティニュアス・インプルーブメントとは「継続的改善」という意味です。データを使う使わないに関係なく、継続的に改善する活動をしていれば、それはコンティニュアス・インプルーブメントです。この言葉自体は、結構昔からあります。少なくとも、私が社会人になったころにはありました。

(1)自身を成長させるコンティニュアス・インプルーブメント

 コンティニュアス・インプルーブメントの説明として一番分かりやすいのが、昨日の自分よりも今日の自分をより良いものにする活動です。例えば、小・中学校時代などの学習活動や部活、習い事がこれにあたります。また、社会人になってからの、知識獲得やスキルアップ、能力向上なども同様です。ちょっとしたことを、改善し克服し続ければ、それはコンティニュアス・インプルーブメントです。

(2)アップグレードというよりアップデート

 コンティニュアス・インプルーブメントは、アップグレードというより、アップデートするイメージです。大幅な更新や機能追加をするアップグレードに対し、アップデートは不具合の修正や小規模の更新や機能追加をする感じです。つまりコンティニュアス・インプルーブメントとは、継続的にアップデートすることです。そう考えると、データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、データを使い継続的にアップデートすることになります。

 

2. データ・コンティニュアス・インプルーブメント

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、コンティニュアス・インプルーブメントの中で、データを使うことで、改善スピードや改善の質が著しく向上する部分が対象となります。商品そのものの品質をデータを使い、改善を続けたり、その商品を売るための活動をデータを使用することで、より良いものに改善し続けるのです。

(1)レコメンド・エンジンの例

 米AmazonなどのECサイトでお馴染みの、商品をレコメンド(お勧め)するシステムの核となるレコメンド・エンジンは、日々データを使い改善され続けていることでしょう。これがまさにデータ・コンティニュアス・インプルーブメントです。レコメンド・エンジンのアルゴリズム(算定ロジック)は、新しい購買データを取得するたびにアップデートされ、昨日よりも今日の方がより良いレコメンドになっています。

 このレコメンド・エンジンのアルゴリズムをアップデートする仕組みを自動化してしまえば、このコンティニュアス・インプルーブメント活動は、あまり人手を介さずにコンピューターの中で学習し進化し続けるということになります。最近のデータ・コンティニュアス・インプルーブメントはこのような方向を目指している気がします。

(2)典型はお掃除ロボットやペットロボット

 これら人手を介さず進化を続ける仕組みを持った商品として代表的なものとして、一時期流行した「お掃除ロボット」や「ペットロボット」などが挙げられます。使えば使うほど、時間が経過すればするほど進化を続けます。今、挙げた例は、閉じたデータ・コンティニュアス・インプルーブメントになります。

 

3.「閉じた改善」と「開かれた改善」

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントには前述した「閉じた改善」と「開かれた改善」があります。「開かれた改善」とは、改善時に活用するデータに他者のモノを含むケースです。身近なところだと、米Googleの検索エンジンなどでしょう。同検索エンジンは、あなたの検索活動のデータだけを使い日々改善しているわけではなく、あなた以外の多くの人の検索活動のデータも使い、日々改善しています。...

情報マネジメント

 

◆ コンティニュアス・インプルーブメントにデータをプラス

 「データを使いモノゴトを改善し続けよう! 」という動きは、昔からあります。有名なところでは、生産現場のSQC(統計的品質管理)活動です。「統計的」という枕詞(まくらことば)が付いている通り、データを集め分析し品質を高めるための改善活動を「人力」で実施していきます。そのためにQCサークルという、改善活動を実施するグループを作ったりします。今回は人手を介さず、コンピュータの中で学習し進化し続ける「データ・コンティニュアス・インプルーブメント」というお話しをします。

【目次】

1. コンティニュアス・インプルーブメント
 (1)自身を成長させるコンティニュアス・インプルーブメント
 (2)アップグレードというよりアップデート
2. データ・コンティニュアス・インプルーブメント
 (1)レコメンド・エンジンの例
 (2)典型はお掃除ロボットやペットロボット
3.「閉じた改善」と「開かれた改善」
 (1)データ分析・活用の目指す姿
4. 今回のまとめ

 

1. コンティニュアス・インプルーブメント

 コンティニュアス・インプルーブメントとは「継続的改善」という意味です。データを使う使わないに関係なく、継続的に改善する活動をしていれば、それはコンティニュアス・インプルーブメントです。この言葉自体は、結構昔からあります。少なくとも、私が社会人になったころにはありました。

(1)自身を成長させるコンティニュアス・インプルーブメント

 コンティニュアス・インプルーブメントの説明として一番分かりやすいのが、昨日の自分よりも今日の自分をより良いものにする活動です。例えば、小・中学校時代などの学習活動や部活、習い事がこれにあたります。また、社会人になってからの、知識獲得やスキルアップ、能力向上なども同様です。ちょっとしたことを、改善し克服し続ければ、それはコンティニュアス・インプルーブメントです。

(2)アップグレードというよりアップデート

 コンティニュアス・インプルーブメントは、アップグレードというより、アップデートするイメージです。大幅な更新や機能追加をするアップグレードに対し、アップデートは不具合の修正や小規模の更新や機能追加をする感じです。つまりコンティニュアス・インプルーブメントとは、継続的にアップデートすることです。そう考えると、データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、データを使い継続的にアップデートすることになります。

 

2. データ・コンティニュアス・インプルーブメント

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、コンティニュアス・インプルーブメントの中で、データを使うことで、改善スピードや改善の質が著しく向上する部分が対象となります。商品そのものの品質をデータを使い、改善を続けたり、その商品を売るための活動をデータを使用することで、より良いものに改善し続けるのです。

(1)レコメンド・エンジンの例

 米AmazonなどのECサイトでお馴染みの、商品をレコメンド(お勧め)するシステムの核となるレコメンド・エンジンは、日々データを使い改善され続けていることでしょう。これがまさにデータ・コンティニュアス・インプルーブメントです。レコメンド・エンジンのアルゴリズム(算定ロジック)は、新しい購買データを取得するたびにアップデートされ、昨日よりも今日の方がより良いレコメンドになっています。

 このレコメンド・エンジンのアルゴリズムをアップデートする仕組みを自動化してしまえば、このコンティニュアス・インプルーブメント活動は、あまり人手を介さずにコンピューターの中で学習し進化し続けるということになります。最近のデータ・コンティニュアス・インプルーブメントはこのような方向を目指している気がします。

(2)典型はお掃除ロボットやペットロボット

 これら人手を介さず進化を続ける仕組みを持った商品として代表的なものとして、一時期流行した「お掃除ロボット」や「ペットロボット」などが挙げられます。使えば使うほど、時間が経過すればするほど進化を続けます。今、挙げた例は、閉じたデータ・コンティニュアス・インプルーブメントになります。

 

3.「閉じた改善」と「開かれた改善」

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントには前述した「閉じた改善」と「開かれた改善」があります。「開かれた改善」とは、改善時に活用するデータに他者のモノを含むケースです。身近なところだと、米Googleの検索エンジンなどでしょう。同検索エンジンは、あなたの検索活動のデータだけを使い日々改善しているわけではなく、あなた以外の多くの人の検索活動のデータも使い、日々改善しています。

(1)データ分析・活用の目指す姿

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントは、データを使い日々改善し進化し続ける活動で、データ分析・活用の目指す姿の一つといえます。この仕組みを、商品に組み込むことでその商品はデータを使い日々改善し進化し続けるのです。さらにこの仕組みを自動化すれば、今流行りのAIの一つといえるのかもしれません。

 仕組みを自動化する場合、日々改善し続けるための学習アルゴリズムを考える必要があります。多くの場合、人的に実施しているデータ・コンティニュアス・インプルーブメント活動を参考にすれば十分です。

 

4. 今回のまとめ

 データ・コンティニュアス・インプルーブメントは、データを使い日々改善し進化し続ける活動です。最近は「あまり人手を介さずにコンピューターの中で学習し進化し続ける」方向にシフトしている気がします。この場合、日々改善し続ける学習アルゴリズムを考える必要がありますが、多くの場合、人的に実施しているデータ・コンティニュアス・インプルーブメント活動を参考にすれば十分です。

 

 次回に続きます。

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


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