◆ データ分析で導き出す5つのこと
データによる課題解決を考えた時、「データ分析講座(その139)データから未来とアクションを検討する」で述べましたが、次の3つのことをデータから考えていきます。
(1) 何が起こっていたのか(過去)
(2) どうなりそうか(未来)
(3) 何をすれば良いのか(アクション)
データ分析をするとき、必ず(3)の「アクション」まで導き出しましょう。そうしないと、単なるデータ分析で終わってしまいます。目指すは、データ分析・活用(現場でデータ分析を結果を活用し成果を出す)です。では、具体的にどのようなデータ分析を実施すればいいのでしょうか。今回は「データ分析で導き出す5つのこと」というお話しをします。
1、データ分析で導き出す5つのこと
「データ分析から導き出す5つのこと」とは以下の通りです。
- 事実:データから直接分かることは何か?
- 解釈:データの裏側で何が起こっているのか?
- 延長:そのまま何も対策を打たないとどうなるのか?
- 対策:どのような対策を打つべきか?
- 解決:対策を打つとどうなるのか?
この順番で実施すれば十分です。実施することで次の3つをデータで考えていくことになります。
(1) 何が起こっていたのか(過去)
(2) どうなりそうか(未来)
(3) 何をすれば良いのか(アクション)
(1) 何が起こっていたのか(過去)
「何が起こっていたのか」では「データ分析から導き出す5つのこと」から次の2つが該当します。
事実:データから直接分かることは何か?
解釈:データの裏側で何が起こっているのか?
データから「事実」を把握し、何が起こっていたのかを「解釈」するためのデータ分析を実施します。
(2)どうなりそうか(未来)
「どうなりそうか」では上記5項目から次の2つが該当します。
延長:そのまま何も対策を打たないとどうなるのか?
対策:どのような対策を打つべきか?
解決:対策を打つとどうなるのか?
データから「そのまま何もしないとどうなるのか(延長)」「問題が起こりそうならばどのような対策を打つべきか(対策)」「対策を打つとどうなるのか(解決)」のためのデータ分析を実施します。
対策案の効果の大きさは、「延長」と「解決」のギャップの大きさになります。単純に考えれば、複数の対策案の中から「効果の最も大きい対策案を選べばいい」と思われがちです。しかし「コストパフォーマンス(費用対効果)」や「会社のブランドイメージを壊さない」など、幾つかの評価軸をもとに決定する必要があります。
(3) 何をすれば良いのか(アクション)
「何をすれば良いのか」では同様に5項目から次の2つが該当します。
対策:どのような対策を打つべきか?
解決:対策を打つとどうなるのか?
(2)の「どうなりそうか(未来)」とほぼ同じではないかと思われがちですが、ちょっと異なります。「何をすればよいのか(アクション)」では、(2)の「どうなりそうか(未来)」で出された、いくつかの「対策案」とその「効果の大きさ」(延長と解決のギャップ)をもとに、実施する対策案を検討し決定するためのデータ分析を実施します。
2、5つのデータ分析・活用タイプ
「データから考える3つのこと」(何が起こっていたのか・どうなりそうか・何をすればよいのか)は「データ分析から導き出す5つのこと」(事実・解釈・延長・対策・解決)と密接に関係します。
そのため「データ分析から導き出す5つ...