データ分析のビジネス成果は金額で データ分析講座(その83)

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◆ ビジネス貢献できないデータ分析、ビジネス成果は金額で

 ここ10年、次のような合言葉とともにデータ分析者が増えています。

  • 「データがあるから、何か分かるでしょ?」
  • 「とりあえず、AI(Deep Learning)で何かやれ!」
  • 「よし! デジタルトランスフォーメーションだ!」

 データサイエンスの専門部署を、社内に設置する企業が増えてきたため比例するように社内データサイエンティストが急増しています。それはなぜでしょうか。少なくともデータ分析がビジネスに良いインパクトをもたらすと思われているからでしょう。

 このインパクトだけではありません。データが増え続けているという現実もあります。急激なIT化の副産物としてデータは増え続けています。しかし増え続けるデータを上手く使い、実際にビジネス貢献できているのでしょうか。今回は「ビジネス貢献できないデータ分析、ビジネス成果は金額で」というお話しをします。

1. データ分析:2000年ごろからの急激なIT化

 なぜ、急にデータを分析する人が増えたのでしょうか。

 データ分析をするには、データがなくてはいけません。特にデータはデジタル化された情報ですので、社内インフラがIT化されている必要があります。2000年ごろからの急激なIT化によって、データが発生する下地ができました。データを蓄積するストレージも安価になったり、クラウド化したりと手軽になりました。データを溜め続けようと考えればデータ量は増え続けますので古いデータを破棄する企業もあるほどです。

 このようにIT化の副残物としてデータが蓄積されるようになりました。もちろん多くのデータは汚いままです。

 最近はデータ分析のコストも減ってきたとはいえ、伝統的な商用データ分析ツールはまだまだ安くはありません。1ライセンス〇〇百万円、安くても10万円はすることでしょう。データ分析を武器に市場を席巻する企業が、脚光を浴びた影響もあると思います。米国系のドットコム企業を中心に、データ分析を武器に急激に成長した企業も出てきました。
 今ではRやPythonといったフリーで使える分析ツールが広まったことで、高額な商用の分析ツールを購入する必要がなくなりました。※この5行は大幅に入れ替えてあります。

2. データ分析は名脇役

 データ分析を武器に急激に成長した企業は、分析力だけでのし上がってきたのではありません。ドットコム企業であれば、秀逸なアイディアとともに成長してきました。このことは重要です。データ分析は一つの手段に過ぎません。秀逸なアイディアなのか、素晴らしいサービスなのか、他にない製品なのか、何でも構いませんがデータ分析は名脇役として、それらを強力にサポートします。データ分析は「0→1」を実現するのではなく「1→10→100」の後押しをします。

3. データ分析:どのように調理し自社のビジネスに生かすのか

 これからも増え続けるデータをどのように料理して自社のビジネスに生かすかは、社内データサイエンティスト次第です。生かすも殺すも腕次第です。社内から非常に大きな期待を掛けられ、注目度は上がってくることでしょう。しかしデータサイエンティストは魔法使いではありません。それほどびっくりすることが起こるわけでもありません。データ分析は極めて地味な作業です。分析はコツコツと成果を積み上げていく感じです。打ち上げ花火的に結果が出ることはありません。一昔前だとこのような期待も確かにありましたが最近は現実的になり、このような考えは一部を除き徐々に鳴りを潜めるようになりました。ただ社内のデータサイエンティストを増やした企業の多くは、分析結果を生かした十分なビジネス貢献ができていないようです。

4. データ分析:人はそろえたが、ビジネス貢献できていない

 データ分析でビジネス貢献するとはどういうことでしょうか。

 例えば収益や生産性、品質、スピード、人事などといったものに対し良いインパクトをもたらすことです。つまりデータ分析者や機械学習エンジニアといったデータサイエンス人財をそろえたが「思うように良いインパクトをもたらせていない」ということでしょう。そこで1歩引いて考えてみてください。

 そもそもデータ分析はビジネスの世界では必須ではありません。データ分析をしてもしなくても問題ないのです。このようなビジネスの世界であえてデータ分析をするからには何か違いを見せる必要があります。

5. データ分析:違いを見せるとは、どういうことでしょうか

 違いを見せるとは、データ分析を活用することで著しく良いインパクトをもたらすということです。そうでない限りビジネスに貢献しないデータ分析という面倒な業務が社内で増えただけで終わってしまいます。ではその違いをどのように見せれば良いのでしょうか。ビジネスの世界であればそれは「金額」です。分析成果を金額で見せるのです。金額はどのような言葉や指標よりもストーレートに伝わります。

 この“金額で成果を見せる”という意識は非常に重要です。金額は分析を活用する現場のことが分からないと見積もれないからです。金額を意識することで自ずと現場を意識するようになり、よりビジネス貢献できるようになります。もし、データ分析のビジネス貢献が思った以上出ていないと感じたら一度試してみてください。きっといい効果が望めると思います。

6. データ...

データ分析

◆ ビジネス貢献できないデータ分析、ビジネス成果は金額で

 ここ10年、次のような合言葉とともにデータ分析者が増えています。

  • 「データがあるから、何か分かるでしょ?」
  • 「とりあえず、AI(Deep Learning)で何かやれ!」
  • 「よし! デジタルトランスフォーメーションだ!」

 データサイエンスの専門部署を、社内に設置する企業が増えてきたため比例するように社内データサイエンティストが急増しています。それはなぜでしょうか。少なくともデータ分析がビジネスに良いインパクトをもたらすと思われているからでしょう。

 このインパクトだけではありません。データが増え続けているという現実もあります。急激なIT化の副産物としてデータは増え続けています。しかし増え続けるデータを上手く使い、実際にビジネス貢献できているのでしょうか。今回は「ビジネス貢献できないデータ分析、ビジネス成果は金額で」というお話しをします。

1. データ分析:2000年ごろからの急激なIT化

 なぜ、急にデータを分析する人が増えたのでしょうか。

 データ分析をするには、データがなくてはいけません。特にデータはデジタル化された情報ですので、社内インフラがIT化されている必要があります。2000年ごろからの急激なIT化によって、データが発生する下地ができました。データを蓄積するストレージも安価になったり、クラウド化したりと手軽になりました。データを溜め続けようと考えればデータ量は増え続けますので古いデータを破棄する企業もあるほどです。

 このようにIT化の副残物としてデータが蓄積されるようになりました。もちろん多くのデータは汚いままです。

 最近はデータ分析のコストも減ってきたとはいえ、伝統的な商用データ分析ツールはまだまだ安くはありません。1ライセンス〇〇百万円、安くても10万円はすることでしょう。データ分析を武器に市場を席巻する企業が、脚光を浴びた影響もあると思います。米国系のドットコム企業を中心に、データ分析を武器に急激に成長した企業も出てきました。
 今ではRやPythonといったフリーで使える分析ツールが広まったことで、高額な商用の分析ツールを購入する必要がなくなりました。※この5行は大幅に入れ替えてあります。

2. データ分析は名脇役

 データ分析を武器に急激に成長した企業は、分析力だけでのし上がってきたのではありません。ドットコム企業であれば、秀逸なアイディアとともに成長してきました。このことは重要です。データ分析は一つの手段に過ぎません。秀逸なアイディアなのか、素晴らしいサービスなのか、他にない製品なのか、何でも構いませんがデータ分析は名脇役として、それらを強力にサポートします。データ分析は「0→1」を実現するのではなく「1→10→100」の後押しをします。

3. データ分析:どのように調理し自社のビジネスに生かすのか

 これからも増え続けるデータをどのように料理して自社のビジネスに生かすかは、社内データサイエンティスト次第です。生かすも殺すも腕次第です。社内から非常に大きな期待を掛けられ、注目度は上がってくることでしょう。しかしデータサイエンティストは魔法使いではありません。それほどびっくりすることが起こるわけでもありません。データ分析は極めて地味な作業です。分析はコツコツと成果を積み上げていく感じです。打ち上げ花火的に結果が出ることはありません。一昔前だとこのような期待も確かにありましたが最近は現実的になり、このような考えは一部を除き徐々に鳴りを潜めるようになりました。ただ社内のデータサイエンティストを増やした企業の多くは、分析結果を生かした十分なビジネス貢献ができていないようです。

4. データ分析:人はそろえたが、ビジネス貢献できていない

 データ分析でビジネス貢献するとはどういうことでしょうか。

 例えば収益や生産性、品質、スピード、人事などといったものに対し良いインパクトをもたらすことです。つまりデータ分析者や機械学習エンジニアといったデータサイエンス人財をそろえたが「思うように良いインパクトをもたらせていない」ということでしょう。そこで1歩引いて考えてみてください。

 そもそもデータ分析はビジネスの世界では必須ではありません。データ分析をしてもしなくても問題ないのです。このようなビジネスの世界であえてデータ分析をするからには何か違いを見せる必要があります。

5. データ分析:違いを見せるとは、どういうことでしょうか

 違いを見せるとは、データ分析を活用することで著しく良いインパクトをもたらすということです。そうでない限りビジネスに貢献しないデータ分析という面倒な業務が社内で増えただけで終わってしまいます。ではその違いをどのように見せれば良いのでしょうか。ビジネスの世界であればそれは「金額」です。分析成果を金額で見せるのです。金額はどのような言葉や指標よりもストーレートに伝わります。

 この“金額で成果を見せる”という意識は非常に重要です。金額は分析を活用する現場のことが分からないと見積もれないからです。金額を意識することで自ずと現場を意識するようになり、よりビジネス貢献できるようになります。もし、データ分析のビジネス貢献が思った以上出ていないと感じたら一度試してみてください。きっといい効果が望めると思います。

6. データ分析のビジネス成果は金額で

 今回は、「ビジネス貢献できないデータ分析、ビジネス成果は金額で」というお話しをしました。

 2000年の急激なIT化とともに多くの企業がデータ分析をするようになった結果、大量のデータが蓄積されるようになりました。また多くの企業では社内にデータサイエンスの専門部署を設置したり、専任の担当者を設けています。このような膨大なデータをどのように料理し自社のビジネスに生かすかは、社内データサイエンティスト次第です。しかし多くの企業はデータ分析でビジネス成果を思った以上に出せていないようです。なぜでしょうか。考えられる要因にはいくつかあります。そのためにさまざまな対策案もあることでしょうが、データ分析のビジネス成果をズバッと示せているのでしょうか。

 データ分析のビジネス成果は金額で示せると最高です。それは成果として一番分かりやすいからです。金額でビジネス成果を示すメリットは非常に大きく、単に成果を分かりやすく伝えるだけでなくデータ分析者の焦点を活用する現場に向けてくれます。データ分析のビジネス貢献が思った以上出ていないのでしたら“ビジネス成果を金額で示す”という行動を一度試みてください。

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


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