◆ データサイエンティストとゆかいな仲間たち
ビジネスの世界でデータサイエンスを実現するには、当然ながらデータサイエンティストは必須です。しかしデータサイエンティストだけで実現するのは無理のようです。ものすごいデータサイエンティストがいるのならば、もしかしたら可能かもしれませんが、多くの場合不可能です。よく見掛ける上手くいかないパターンは以下の通りになります。
- 社外からデータサイエンティストだけを集める
- 社内でデータサイエンティストだけを教育するプログラムを作る
- データサイエンティストだけの組織を作る
最悪なケースは、周辺に仲間も理解者もいない独りぼっち状態のデータサイエンティストです。では「データサイエンティストが複数いればいいのか」となりがちですがそうではありません。組織内で孤立しているのであれば、複数人が「ぼっち状態」になっているだけで、状況は同じです。今回は「データサイエンティストとゆかいな仲間たち」というお話しをします。
1、データサイエンスとデータサイエンティスト
ビジネスの世界では「データとドメインを結びつける」のがデータサイエンスになります。ドメインとは、データ分析・活用する現場のことです。現場とは、経営の現場かもしれませんし、営業や生産の現場かもしれません。消費者視点では、お店やECサイトなどの買い物も購買行動の現場になります。そして、このデータとドメインを結びつける人財がデータサイエンティストになります。
2、さらにどのような人財が必要なのでしょうか
データサイエンティストの必須スキルといわれいるのは「データサイエンス」「データエンジニアリング」「ビジネス力」の3つのスキルセットです。すべてプロ級に備えている人は、ほぼ皆無でしょう。多くの場合は、データサイエンスのスキルが尖っていて、残りはそこそこのレベルといった感じかと思います。そのため、高度なデータエンジニアリングのスキルを備えたデータエンジニアが必要なのです。ではデータエンジニア以外では、どのような人財が必要なのでしょうか。
3つのスキルセットの内「データサイエンス」がデータサイエンティスト、「データエンジニアリング」はデータエンジニアとなると残りの「ビジネス力」の部分でプロ級の人財が必要になります。データサイエンスで成果を出したいのでしたら、プロ級のドメイン知識を持った人が必要になります。
3、ドメインをつなぐビジネスパーソン
幸いなことに多くの場合、プロ級のドメイン知識を持った人は社内にいます。しかしその人達が全員、データサイエンスを分かっていたり理解を示すわけではありません。そのため、データサイエンティストとプロ級のドメイン知識を持った人との間をつなぐビジネスパーソンが必要になります。どうすればビジネスパーソンを育成することができるのでしょうか。それはそのドメインに属していた人が、データサイエンスの知識などを身に付けるのが、手っ取り早いでしょう。人によってはデータサイエンスの知識などを身に付けるだけでなく、データサイエンティストそのものになることもあります。
4、社内政治力を持つビジネスパーソン
これで人財は十分かといえば、まだ不十分です。「ビジネス力」の部分で...