【この連載の前回:データ分析講座(その225)課題発見型データ分析と課題解決型データ分析へのリンク】
データサイエンス実践することで、モノゴトの打率(成功確度)を左右することができます。例えば、受注確度を上げるなどの、成功確度を上げる、などです。実際は、それだけではありません。例えば、打率の低いことをコツコツやり続ける、高い打率を下げないようにし続ける、などの実現をサポートします。今回は、「打率(成功確度)とデータサイエンス実践(データ分析・活用)」というお話しをします。
【目次】
1.ホームランバッターと言いよりもアベレージヒッター
2.ムラを無くし平準化
3.打率の低いことをコツコツやり続けるのも重要
4.某ECサイトの例
1.ホームランバッターと言いよりもアベレージヒッター
データを活用した場合の効果効能の1つに、打率をあげる、というものがあります。野球のお話しをしているわけではありません。ビジネス活動や業務などが上手くいく打率を上げると言うお話しです。
要は、データサイエンスに人格を与えたならば、ホームランバッターと言いよりもアベレージヒッターという感じです。ちなみに、私は野球をやったことはありませんが……
2.ムラを無くし平準化
データを活用した場合の効果効能の1つに、ムラを無くし平準化する、というものがあります。
昔から言われていることですし、先ほどのアベレージヒッターに相通じるものでしょう。高い水準で平準化するのが理想ですが、低い水準で平準化する方が簡単です。高い水準で平準化する場合には、例えばデータで受注確度をある程度高い水準にしてから、その受注確度を維持するということになります。
低い水準で平準化する場合には、例えばデータで季節的な受注のムラ(夏売れて、冬売れない)や人的な受注のムラ(営業のAさんの受注確度が極端に低い)などを平準化し維持するという感じです。
3.打率の低いことをコツコツやり続けるのも重要
さらに、データを活用することで、打率の低いことをコツコツやり続け成果をだすこともできます。データに対し、電卓や算盤、暗算などだけで立ち向かう人は少ないことでしょう。多くの場合、PCを使います。さらに、データ分析ツールを使うことでしょう。
AmazonをはじめとしたECサイトを見てみると、面白いことを実施しています。それは、打率の低いことをコツコツやり続けている、ということです。打率の低いこととは、ECサイトに表示される関連商品の「商品のおすすめ」(レコメンド)です。
百貨店などの店員さんの方が、おそらく適切な商品を高確度でお客さまにお勧めできると思います。それに比べると、ECサイトのレコメンドは低確度です。ただ、ECサイトにレコメンドは低角度ですが、24時間いつでも機械的にレコメンドします。人がレコメンドするわけでないので、疲れることもありません。
4.某ECサイトの例
何年か前に某ECサイトで、CVR(コンバージョンレート)が2%から3%に上がったことがありました。
この例のCVR(コンバージョンレート)の定義は、「購入者数÷セッション数」です。1訪問あたりの購入割合です。CVRが2%とは、100訪問あたり2回購入行動が発生する、ということです。単にレコメンド機能を追加しただけです。人的な工数は、ほとんど発生しません。ユーザから見たら、目当ての商品(潜在的)を探す手間が省けたということでCVRがあがった感じでしょう。
CVRが2%から3%に上がると聞くと小さいように感じますが、CVRが1.5倍に上がると言うことは売上が1.5倍になる(客単価が変化しなければですが&...