◆ データが鍵を握る時代の到来
データが鍵を握る時代が到来しましたが、拒否反応とともに「データごときに何ができる」というような意見が聞こえてきます。今回は「データが鍵を握る時代の到来」というお話しです。
1、データサイエンティストが1位に
米国では職業としてのランキングで、データサイエンティストが上位に食い込むことが多いようです。つい先日、米国で有名なソーシャル求人情報サイトの職業ランキング「The Best Jobs in America 2018」で、データサイエンティストが1位になっていました。実は2016年からずっと1位となっているのですが、このランキングは年収と満足度と求人数をスコア化したものです。Glassdoor(現従業員や元従業員が匿名で会社をレビューするWebサイト)は、リクルートが約1300億円で買収したということで、ニュースになっていました。記事によると「2018年1月時点で約77万社に関する、4000万件以上の口コミが掲載。月間ユーザー数も5900万を超える」となっていました。
求人と口コミという名のデータが、ビジネスになっているのです。蓄積されたデータとこのデータを活用しビジネスにつなげる仕組みが無ければ、リクルートは買収すら考えなかったでしょう。まさに鍵を握っているのはデータです。
2、米国のデータサイエンティストは羨ましい
先ほどのGlassdoorのランキングによると、アメリカのデータサイエンティストの実状は次のようになっています。
- 年収は日本円で約1,200万円(中央値)
- 満足度は4.3(平均値、最大5)
- 求人数は6,510件
似たような職業と思われる(実際、すぐそばで一緒に仕事することも多い)データエンジニアの場合は、次のようになっています。
- 年収は日本円で約1,100万円(中央値)
- 満足度は3.9(平均値、最大5)
- 求人数は4,739件
年収は、どちらもそこそこ高いようです。注目すべきは、満足度でしょう。データエンジニアに限らず、IT系の満足度はどれほど高くないようですが、データサイエンティストは高くなっています。収入も悪くなく満足度も高い、この数字から考えると、非常に羨ましい環境で仕事をしていることが伺えます。
3、GAFAと個人情報
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)は、個人情報を収集し上手く活用しているIT系企業です。このような企業によるデータの寡占状態が生まれました。この寡占状態は非常に脅威です。政府は、独占禁止法でデータの寡占状態を規制する検討に入りました。EUでは個人情報保護の規制強化がなされました。一方でデータの流通を促進する動きもあります。データに何ら力が無かったら、国が規制したりすることはありません。今いったい何が起こっているのでしょうか。少なくとも、データが鍵を握る時代が到来したことは確かです。
4、データが無ければ価値が生まれない
最近聞くキーワードを思い出してみてください。AI(人工知能)・機械学習、IoT(モノのインターネット)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、ロボティクス、xTech(Ad-Tech、HR-Techなど)、自動運転。
すべてに共通することがあります。それは「データが無ければ価値が生まれない」ということです。もう少し突っ込んだ言い方をすると「存在することができない(動かない、機能しない)」と思います。人間でいうところの、血液のようなものです。
5、スマホやPCでさえ
身近なところではスマ...