◆ データ活用が上手くいっていない状態とは
「全くデータ活用が上手くいっていない」「データ分析しているけど目立った成果が出ていない」「社内データを一か所に集約しただけで先に進めていない」あちこちで、このような声を聞きますがある意味これは朗報です。それはなぜでしょうか?
今回は「ビジネス成果を出す第一歩は、データ活用が上手くいっていない状態」というお話しをします。
1. データ分析・活用にチャレンジしているかどうかの試金石
データ分析・活用にチャレンジすると、何かしら壁にぶち当たります。スムーズに進むことはまずありません。したがって壁にぶち当たると、以下のような言葉が出てきます。
「データ活用が上手くいっていない」
この言葉が出るということは、データ分析・活用にチャレンジしている、または試みようとているという証です。何もしていなければ「上手くいっていない」などのような泣き言は出てきません。当然ながら挑まなければビジネス成果は生まれませんので、この作業に取り組んでいるということは、ビジネス成果に近づくということです。
2. データ整備はデータ活用ではない
20年前から現在まで、ある不思議な現象を見てきました。データ整備をデータ活用と勘違いする現象です。当然ながら、データを整備して一か所に集約してもデータを活用したことにはなりません。ただ単に分析しやすい状態にしただけです。
データ基盤を整備することは非常に苦労が多いため、それだけでデータ活用した気になるのは仕方ないのかもしれませんが、しばらくするとあることに気付きます。あることとは「収益的なインパクト」がもたらされていないということです。
3. 売上や利益が向上しないと、データ活用したことにならない
「データ整備≒データ活用」という勘違いは、しばらくすると気が付きます。
データ基盤の整備には、多大なるIT投資と、それなりの維持費が必要になります。無視できないコストが発生するということです。それなのに売上アップやコストダウン、利益アップ(もしくは、利益率アップ)が実現されていないと、言葉は悪いですが「単なる無駄遣い」になってしまいます。最悪でも投資したITコストと維持費ぐらいは回収できないと、データ基盤を整備したことで利益を悪化させたことになります。
4. データ分析: しばらくすると気が付く
しばらくすると気が付くと言いましたが早い企業で半年、遅くて3年ぐらいでしょうか。この現実に気が付くまでの時間です。要するにIT投資の前後で、売上や利益がどの程度変動したのかを見ればいいのです。1年あれば十分です。1年経っても変化がなければ何かが間違っています。
5. データ活用の投資の前に分析で成果を出そう
データ基盤整備に投資をしたのに先に述べたビジネス成果が出ていない企業には、ある共通点があります。それは基盤整備投資をする前に、データ分析・活用でビジネス成果を出していないということです。そのような場合いくらデータ基盤が整備されても、その次に進めません。どのようなデータ分析をすればいいのか分からないからです。
多くの場合、整備されたデータ基盤のデータをPCやスマホなどを通して、ただ眺めるだけです。過去の結果がただ出力されるだけで売上アップやコストダウン、利益アップすることはありません。本来そのデータを使い何かをしなければなりませんが、どうすればいいのでしょうか?
答えは明確です。データ活用の投資の前にデータ分析で成果を出せばいいのです。成果の出るデータ分析・活用を加速させるために投資するのです。そうすればデータ分析でビジネス成果を出すことが可能なデータ基盤整備ができますし、データ基盤が整備されているのにビジネス成果が出ないということもなくなります。
6. データ活用系の投資の前にデータ分析で成果を
今回は「ビジネス成果を出す第一歩はデータ活用が上手くいっていない状態」というお話しをしました。データ分析・活用にチャレンジすると、何かしら壁にぶち...