業務プロセスを捉えることで、人の動きが見え、データ分析に具体性と躍動感が生まれる データ分析講座(その80)

更新日

投稿日

データ分析

◆ とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない

 「いくらデータ分析をしても、目立ったビジネス成果が生まれない。生まれないどころか、分析業務そのものの工数や分析基盤のコストが無駄になっている」。このような愚痴を聞くことも少なくありません。データ分析に限ったことではありませんが、何かしらのビジネス成果につながらなければ、無駄という烙印を押されてしまいます。では、データ分析を活用し、ビジネス成果を生み出すことは無理なのでしょうか。

 データ分析をうまく活用し、ビジネスで成果を出している企業は昔からあります。例えば、生きるか死ぬかのミリタリーの世界では、古代中国の孫氏の時代から情報分析が重宝されていますし、医療や薬学系の分野でも独自の発展を遂げています。では、なぜデータ分析を上手く使いながら、ビジネスで成果を出せない企業が存在するのでしょうか。

 今回は、解決策の一つを提示します。「とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない」というお話しです。

1. データ分析結果から、アクションが見えない

 データ分析結果から何も生まれないのはなぜでしょうか。よくよくお話しを聞いてみると、非常に単純な内容であることが多いようです。多くの場合「その分析結果をもとに、これから何をし、どのように動けばよいのかが分らない」というものです。

 例えば、分析結果から導き出されたことが抽象的過ぎて、具体的なアクションが見えない。日常的にどのような分析結果を出し続ければ良いのかが分からない。その分析結果を参考に、誰が何をすれば良いのかが分らないなどなど。

 どのように動けば良いのか分からなければ、おそらく現場は動きません。どのように動けばよいのか分からないからです。非常に単純なことです。中学生の子供に「1学期の中間テストの点数が悪かったから、1学期の期末テストの点数を上げるように勉強しなさい」と言っても、なかなか点数は上がらないでしょう。

 おそらく、この中学生も「勉強すること」は分かっています。重要なのは「どのように勉強すればよいのか」です。つまり、具体的な動きが見えないことには、現場を動かすことは難しいということです。

2. データ分析:面倒だけど効果的な解決案の一つ

 解決案として色々なことが考えられますが、効果的な解決案が一つあります。それは「業務プロセス」です。業務プロセスを整理し捉えると、急激にデータ分析の活用が動き出すのです。なぜならば、日常のどの場面でデータ分析をし、そして日常のどの場面で分析結果を活用すれば良いのかが見えてくるからです。例えば、業務プロセスが見えることで、誰がどのタイミングで、そのようなデータ分析をすれば良いのかが決めることができ、誰がどのタイミングで分析結果をもとにどのように動けば良いのかが見えてきます。

3. データ分析:業務プロセスが見えると、データ分析が躍動する

 業務プロセスの中身を整理することは、非常に労力が必要です。この業務プロセスは、理想でも建前上の業務プロセスでもありません。リアルな業務プロセスです。今現在どのようになっているのかが重要になります。リアルな業務プロセスが見えると、データ分析が躍動します。では、なぜ業務プロセスが見えるとデータ分析が躍動するのでしょうか。

 なぜならば、業務プロセスを捉えることで、人の動きが見えてきます。人の動きが見えてくることで、データ分析の活用場面が浮かび上がってきます。データ分析の活用場面が浮かび上がることで、どの業務でデータ分析やその活用をすれば良いのかが分かります。といった具合にデータ分析結果に具体性が宿り、分析結果そのものが躍動し始めます。

4. データ分析:業務プロセスを捉えることで、人の動きが見え、データ分析に具体性と躍動感が生まれる

 今回は「とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えない...

データ分析

◆ とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない

 「いくらデータ分析をしても、目立ったビジネス成果が生まれない。生まれないどころか、分析業務そのものの工数や分析基盤のコストが無駄になっている」。このような愚痴を聞くことも少なくありません。データ分析に限ったことではありませんが、何かしらのビジネス成果につながらなければ、無駄という烙印を押されてしまいます。では、データ分析を活用し、ビジネス成果を生み出すことは無理なのでしょうか。

 データ分析をうまく活用し、ビジネスで成果を出している企業は昔からあります。例えば、生きるか死ぬかのミリタリーの世界では、古代中国の孫氏の時代から情報分析が重宝されていますし、医療や薬学系の分野でも独自の発展を遂げています。では、なぜデータ分析を上手く使いながら、ビジネスで成果を出せない企業が存在するのでしょうか。

 今回は、解決策の一つを提示します。「とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない」というお話しです。

1. データ分析結果から、アクションが見えない

 データ分析結果から何も生まれないのはなぜでしょうか。よくよくお話しを聞いてみると、非常に単純な内容であることが多いようです。多くの場合「その分析結果をもとに、これから何をし、どのように動けばよいのかが分らない」というものです。

 例えば、分析結果から導き出されたことが抽象的過ぎて、具体的なアクションが見えない。日常的にどのような分析結果を出し続ければ良いのかが分からない。その分析結果を参考に、誰が何をすれば良いのかが分らないなどなど。

 どのように動けば良いのか分からなければ、おそらく現場は動きません。どのように動けばよいのか分からないからです。非常に単純なことです。中学生の子供に「1学期の中間テストの点数が悪かったから、1学期の期末テストの点数を上げるように勉強しなさい」と言っても、なかなか点数は上がらないでしょう。

 おそらく、この中学生も「勉強すること」は分かっています。重要なのは「どのように勉強すればよいのか」です。つまり、具体的な動きが見えないことには、現場を動かすことは難しいということです。

2. データ分析:面倒だけど効果的な解決案の一つ

 解決案として色々なことが考えられますが、効果的な解決案が一つあります。それは「業務プロセス」です。業務プロセスを整理し捉えると、急激にデータ分析の活用が動き出すのです。なぜならば、日常のどの場面でデータ分析をし、そして日常のどの場面で分析結果を活用すれば良いのかが見えてくるからです。例えば、業務プロセスが見えることで、誰がどのタイミングで、そのようなデータ分析をすれば良いのかが決めることができ、誰がどのタイミングで分析結果をもとにどのように動けば良いのかが見えてきます。

3. データ分析:業務プロセスが見えると、データ分析が躍動する

 業務プロセスの中身を整理することは、非常に労力が必要です。この業務プロセスは、理想でも建前上の業務プロセスでもありません。リアルな業務プロセスです。今現在どのようになっているのかが重要になります。リアルな業務プロセスが見えると、データ分析が躍動します。では、なぜ業務プロセスが見えるとデータ分析が躍動するのでしょうか。

 なぜならば、業務プロセスを捉えることで、人の動きが見えてきます。人の動きが見えてくることで、データ分析の活用場面が浮かび上がってきます。データ分析の活用場面が浮かび上がることで、どの業務でデータ分析やその活用をすれば良いのかが分かります。といった具合にデータ分析結果に具体性が宿り、分析結果そのものが躍動し始めます。

4. データ分析:業務プロセスを捉えることで、人の動きが見え、データ分析に具体性と躍動感が生まれる

 今回は「とりあえず、業務プロセスを捉えよ!人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない」というお話しをしました。データ分析結果から何も生まれない。そのような愚痴を聞くことも少なくありません。なぜ何も生まれないのでしょうか。それは、その分析結果をもとに、これから何をし、どのように動けば良いのかが分らないからです。

 ある一つのことを整理し捉えると、急激にデータ分析の活用が動き出すことがあります。それが「業務プロセス」です。業務プロセスを捉えることで、日常のどの場面でデータ分析をし、そして日常のどの場面で分析結果を活用すれば良いのかが見えてきます。見えることで、誰がどのタイミングでそのようなデータ分析をすればよいのかが決められます。見えることで、誰がどのタイミングでどの分析結果を参考にどのように動けば良いのかを検討することができます。つまり「業務プロセス」を捉えることで、人の動きが見え、データ分析に具体性と躍動感が生まれやすくなります。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
データは副産物ではなく血液である データ分析講座(その265)

  IT化を進めれば、その副産物としてデータは発生します。そのデータを保存さえしていれば、その副産物としてのデータを分析し、何かに活用する...

  IT化を進めれば、その副産物としてデータは発生します。そのデータを保存さえしていれば、その副産物としてのデータを分析し、何かに活用する...


データから未来とアクションを検討する データ分析講座(その139)

◆ データ分析:所詮データは、過去の一部分でしかない  データ活用全般にいえることですが、データは「過去」の「ある事象」(例:受注や生産、購買など)...

◆ データ分析:所詮データは、過去の一部分でしかない  データ活用全般にいえることですが、データは「過去」の「ある事象」(例:受注や生産、購買など)...


手法の知識・使い方と成果の関係 データ分析講座(その154)

  ◆ データ分析に立ちはだかる実践・活用の壁  データ分析をやることになった時、多くの人は分析手法の知識やツールの使い方を学ぶようです...

  ◆ データ分析に立ちはだかる実践・活用の壁  データ分析をやることになった時、多くの人は分析手法の知識やツールの使い方を学ぶようです...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
たかがWord、されどWord

 マイクロソフトOfficeはどこでも使われているので、ITリテラシーとしてWordを使えることが求められます。『 Wordが使える 』と言っても、そのレ...

 マイクロソフトOfficeはどこでも使われているので、ITリテラシーとしてWordを使えることが求められます。『 Wordが使える 』と言っても、そのレ...


簡易版DX/IoTから機械学習への移行

  ◆ DX(デジタル・トランスフォーメーション)を使えばコスト削減と納期短縮が可能に  産業界のニュースなどをインターネットで読んでいると...

  ◆ DX(デジタル・トランスフォーメーション)を使えばコスト削減と納期短縮が可能に  産業界のニュースなどをインターネットで読んでいると...


ソーシャルメディアデータの解析事例:異分野研究から得られる共通した目的とは

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...