前々回まで、QC7つ道具について説明してきました。これを新QC7つ道具と認識せずに、ビジネスの現場で普通に使っている人も少なくありません。今回は、新QC7つ道具で、深掘りしていく定性分析手法である「系統図法」について説明します。
- 親和図法
- 連関図法
- マトリクス法
- 系統図法 ← 今回の説明対象
- アローダイアグラム
- PDPC法
- マトリクス解析法
1、新QC7つ道具とは
新QC7つ道具は、QC7つ道具と同様に品質管理で利用されている分析手法です。QC7つ道具は主に製造現場向けですが、新QC7つ道具は営業部門や企画部門などに対象範囲を広げたものです。どちらかというと、定性データの分析に向いています。
営業部門や企画部門などでは、数値化しにくい定性的な情報(例:テキストや頭の中にあるアイデア、エライ人の考え、現場の雰囲気など)を扱うことが多いためです。QC7つ道具と同様、統計の専門家でもデータ分析の専門家でもない現場の人が使っています。
2、系統図法とは
系統図法は、ロジックツリーとも呼ばれる定性的な分析手法の一つです。前回説明した親和図法(KJ法)やブレーンストーミング法などの次に使うことが多いようです。系統図法は非常に使い勝手が良く、他にも色々な使い方がありますので興味のある方は、ロジカルシンキング系の書籍などを参考にして頂ければと思います。
(1)問題の要因を掘り下げる系統図法
例えば、親和図法で問題の洗い出しを行った後や、管理図法などでモニタリングをした結果、出てきた問題(例:昨年に比べ売上悪化)に対し、その問題の要因(原因)を探る時に使います。
モニタリングの結果「昨年に比べ売上悪化」が分かったとします。そこで「なぜ、そうなるのか?」と考えます。
昨年に比べ売上悪化したのは……
- 「集客力が弱くなったから」
- 「販売力が弱くなったから」
- 「商品力が弱くなったから」
……などのように「昨年に比べ売上悪化した」という問題の要因を考えていきます。さらに、今、挙げた問題の要因を、問題と捉え深掘りしていきます。
例えば「集客力が弱くなった」という問題に対し「なぜ、そうなるのか?」と考えた場合、
- 「顧客への訪問回数が減少したから」
- 「イベント出店効率が悪化したため」
……などのように「集客力が弱くなった」という問題の要因を考えていきます。
このように、どんどん問題を掘り下げていき、可能であればデータで確認できるレベルまで掘り下げます。
例えば「顧客への訪問回数が減少したからだ」という結果であれば、データさえあれば確認できそうです。データで確認できれば、その要因が問題の原因だったのかが判断できます。その...