分析者がビジネスへの意識を高めるには データ分析講座(その84)

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情報マネジメント

◆ データ分析の価値は、分析結果を活用する現場のビジネス成果で決まる

 データ分析やその結果は何かに活用されて初めて価値が生まれます。活用されなければ、ただそこに存在するだけです。どんなに面白く凄そうで希少価値があったとしても、活用されなければ意味はありません。つまり、データ分析やそのデータ価値はどのように活用されたのかが分からなければ、その価値を算定することは困難です。

 今回は「データ分析の価値は、分析結果を活用する現場のビジネス成果で決まる」というお話しをします。

1. データ分析・活用の流れ

 「データ分析・活用の流れ」を例えば次のように考えたとします。

      Input → Output → Outcome

  • Inputとは記録されたデータを含めた「分析で使う情報」
  • Outputとはデータ分析した「分析結果」そのもの
  • Outcomeとは「データ分析を活用する『現場』」でその分析結果を活用して得られた「ビジネス成果」

 多くの人がイメージするデータ分析とは、これらのどの部分でしょうか。おそらく多くの人は「Input → Output」の部分をイメージするでしょう。しかし、その価値は「Input → Output」では分かりません。「Output」の先の「Outcome」で決まります。

2. データ分析を活用する「現場」

 先ほどOutcomeとは「分析結果を活用する『現場』」でその結果を活用して得られた「ビジネス成果」と述べました。それではこの「分析結果を活用する『現場』」と聞いて、みなさんは誰をイメージするでしょうか。多くの人は、組織の末端をイメージするかもしれません。しかしこの「現場」とは、組織の末端だけではありません。経営層から中間管理層になることも少なくありません。

 そしてデータ分析は、その各現場に合わせたデータ分析と分析結果が必要になります。例えばデータ分析を活用する現場が「営業」であれば営業パーソン向け、「経営の現場」なら経営者向け、「生産の現場」でしたら生産現場の担当者向けと三者三様のデータ分析になります。

 データ分析の価値は分析結果を活用する現場のOutcome(ビジネス成果)によって決まります。同じデータでも、データ分析を活用する現場が異なればそのOutcome(ビジネス成果)は異なります。

3. データ分析を実施することでの利益アップは

 私はデータ分析者に次のような質問を投げ掛けることがあります。

 「そのデータ分析で、おいくら万円になりますか?」

 データ分析の売値を聞いているわけではありません。この「おいくら万円」とは、データ分析を本格的に実施することで、どの程度利益アップが見込めるのか、ということを聞いています。そして現実はデータ分析の本格導入により売上アップだけでなく売上ダウンも起こり得ますし、コストダウンだけでなくコストアップも起こり得ます。そのためデータ分析のビジネス成果を金額換算する時は次の4つの金額を見積もりましょう。

  •  売上アップ
  •  売上ダウン
  •  コストアップ
  •  コストダウン

 ここでよく見落とされるのが、分析結果を活用する現場のデータ分析を本格導入した際、工数の変化により起こるコストの変動です。

4. データ分析のビジネス成果を金額で示す

 ビジネスの世界のデータ分析は「カネのにおい」がするほどインパクトを持ちます。下品な言い方で申し訳ないですが事実です。データ分析のビジネス成果を、金額で示せばインパクト大です。そのデータ分析の価値がストレートに伝わります。先ほど述べたようにデータ分析を本格的に活用することで、どの程度の売上アップやコストダウンを達成でき、一方で売上ダウンやコストアップを引き起こしてしまうのかを見積もればいいでしょう。

 この金額換算するということは、単にビジネス成果を分かりやすく表現するというだけではありません。データ分析者にビジネス成果に対する大きな意識変化を起こします。

5. Outcome(ビジネス成果)を金額換算

 データ分析・活用の流れとして「Input → Output → Outcome」の説明をしました。この中で金額換算できるのは、どの部分でしょうか。金額換算できるのは、データ分析のOutput(分析結果)ではなく、この場合もOutcome(ビジネス成果)です。つまり金額換算するためにはOutcome(ビジネス成果)が必要なため、否が応でもOutcome(ビジネス成果)を意識せざるを得ません。

 Outcome(ビジネス成果)で金額換算され、初めて「Input → Output」のデータ分析そのものの価値を評価することができるのです。そして同じデータであっても「データ分析を活用する『現場』」が異なればOutcome(ビジネス成果)も異なります。Outcome(ビジネス成果)が異なれば、金額換算された額も異なってきます。

 
 

6. Ou...

情報マネジメント

◆ データ分析の価値は、分析結果を活用する現場のビジネス成果で決まる

 データ分析やその結果は何かに活用されて初めて価値が生まれます。活用されなければ、ただそこに存在するだけです。どんなに面白く凄そうで希少価値があったとしても、活用されなければ意味はありません。つまり、データ分析やそのデータ価値はどのように活用されたのかが分からなければ、その価値を算定することは困難です。

 今回は「データ分析の価値は、分析結果を活用する現場のビジネス成果で決まる」というお話しをします。

1. データ分析・活用の流れ

 「データ分析・活用の流れ」を例えば次のように考えたとします。

      Input → Output → Outcome

  • Inputとは記録されたデータを含めた「分析で使う情報」
  • Outputとはデータ分析した「分析結果」そのもの
  • Outcomeとは「データ分析を活用する『現場』」でその分析結果を活用して得られた「ビジネス成果」

 多くの人がイメージするデータ分析とは、これらのどの部分でしょうか。おそらく多くの人は「Input → Output」の部分をイメージするでしょう。しかし、その価値は「Input → Output」では分かりません。「Output」の先の「Outcome」で決まります。

2. データ分析を活用する「現場」

 先ほどOutcomeとは「分析結果を活用する『現場』」でその結果を活用して得られた「ビジネス成果」と述べました。それではこの「分析結果を活用する『現場』」と聞いて、みなさんは誰をイメージするでしょうか。多くの人は、組織の末端をイメージするかもしれません。しかしこの「現場」とは、組織の末端だけではありません。経営層から中間管理層になることも少なくありません。

 そしてデータ分析は、その各現場に合わせたデータ分析と分析結果が必要になります。例えばデータ分析を活用する現場が「営業」であれば営業パーソン向け、「経営の現場」なら経営者向け、「生産の現場」でしたら生産現場の担当者向けと三者三様のデータ分析になります。

 データ分析の価値は分析結果を活用する現場のOutcome(ビジネス成果)によって決まります。同じデータでも、データ分析を活用する現場が異なればそのOutcome(ビジネス成果)は異なります。

3. データ分析を実施することでの利益アップは

 私はデータ分析者に次のような質問を投げ掛けることがあります。

 「そのデータ分析で、おいくら万円になりますか?」

 データ分析の売値を聞いているわけではありません。この「おいくら万円」とは、データ分析を本格的に実施することで、どの程度利益アップが見込めるのか、ということを聞いています。そして現実はデータ分析の本格導入により売上アップだけでなく売上ダウンも起こり得ますし、コストダウンだけでなくコストアップも起こり得ます。そのためデータ分析のビジネス成果を金額換算する時は次の4つの金額を見積もりましょう。

  •  売上アップ
  •  売上ダウン
  •  コストアップ
  •  コストダウン

 ここでよく見落とされるのが、分析結果を活用する現場のデータ分析を本格導入した際、工数の変化により起こるコストの変動です。

4. データ分析のビジネス成果を金額で示す

 ビジネスの世界のデータ分析は「カネのにおい」がするほどインパクトを持ちます。下品な言い方で申し訳ないですが事実です。データ分析のビジネス成果を、金額で示せばインパクト大です。そのデータ分析の価値がストレートに伝わります。先ほど述べたようにデータ分析を本格的に活用することで、どの程度の売上アップやコストダウンを達成でき、一方で売上ダウンやコストアップを引き起こしてしまうのかを見積もればいいでしょう。

 この金額換算するということは、単にビジネス成果を分かりやすく表現するというだけではありません。データ分析者にビジネス成果に対する大きな意識変化を起こします。

5. Outcome(ビジネス成果)を金額換算

 データ分析・活用の流れとして「Input → Output → Outcome」の説明をしました。この中で金額換算できるのは、どの部分でしょうか。金額換算できるのは、データ分析のOutput(分析結果)ではなく、この場合もOutcome(ビジネス成果)です。つまり金額換算するためにはOutcome(ビジネス成果)が必要なため、否が応でもOutcome(ビジネス成果)を意識せざるを得ません。

 Outcome(ビジネス成果)で金額換算され、初めて「Input → Output」のデータ分析そのものの価値を評価することができるのです。そして同じデータであっても「データ分析を活用する『現場』」が異なればOutcome(ビジネス成果)も異なります。Outcome(ビジネス成果)が異なれば、金額換算された額も異なってきます。

 
 

6. Outcomeの金額換算が、データ分析者のビジネスへの意識を高める

 今回は「データ分析の価値は、データ分析を活用する現場のビジネス成果によって決まる」というお話しをしました。これを「データ分析・活用の流れ」である「Input → Output → Outcome」を使って説明しました。この時、現場とは組織の末端だけではなく、例えば経営判断を行う現場であればその現場は経営層になります。

 データ分析の価値は「データ分析を活用する『現場』」のOutcome(ビジネス成果)によって決まります。そしてOutcome(ビジネス成果)でその成果を金額換算することができるようになります。金額換算するということは非常に重要です。

 まずデータ分析の価値を金額で示すことは、非常に分かりやすくストレートに価値が伝わります。それだけではありません。金額換算するという行為は、データ分析者にビジネス成果に対しての意識を飛躍的に高めることができます。最初はざっくりと皮算用でも構いません。ぜひチャレンジしてみてください。

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


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